細かい話に入る前に、両者を分ける一点だけ押さえてください。
違いの本質は 「誰がエンジニアに業務指示を出せるか」。
派遣はクライアント企業が、SESは所属企業(SES会社)が指示を出します。
エンジニアは派遣会社に雇用されつつ、派遣先(クライアント)の指揮命令を受けて働く。
エンジニアはSES会社に雇用され、所属企業(SES会社)の指揮命令下で業務を遂行する。
※ この差は単なる呼称の違いではなく、法律で定められた契約形態の違いです。
派遣は「労働者派遣法」、SESは「民法上の準委任契約(民法656条)」に基づきます。
雇用契約・商取引契約・指揮命令の3本のラインがどこに引かれるか。
ここを見れば、両者の違いは一目で分かります。
特徴: エンジニアは派遣会社に雇用されているが、実際の業務指示は派遣先から直接受ける。労働者派遣法に基づく特別な許可が必要。
NOTE 雇用契約の形式により、さらに「無期雇用派遣(期間の定めなし)」と「登録型派遣(就業期間中のみ雇用)」に分かれます。フェローシップは前者の無期雇用派遣です。
特徴: エンジニアはSES会社に雇用され、業務指示も所属企業から受ける。クライアント先に常駐していても、現場の直接指示には従わない(従ったら偽装請負)。
★ 指揮命令のラインがどちらに伸びているかを見てください。 派遣ではクライアントから、SESではSES会社からそれぞれエンジニアに向かって指示が出ます。 この一点が両者を法的に分けています。
「クライアントから新しい作業を頼まれた」とき、実際にどう動くのか。
実務での指示フローを並べてみるとさらに分かりやすくなります。
派遣先の上長が新しい作業を指示
「明日までにこの設計書をレビューしてほしい」など、直接エンジニアに依頼。
エンジニアは派遣先の指示に従う
勤怠管理・残業指示・業務内容の変更も派遣先の権限内で行われる。
給与は派遣会社から支払われる
雇用主はあくまで派遣会社。社会保険・労務管理も派遣会社が担う。
クライアントは作業範囲をSES会社に依頼
「この機能の開発をお願いしたい」など、エンジニア個人にではなくSES会社に依頼する。
SES会社からエンジニアに指示
所属企業のリーダー/マネージャが指揮命令系統を担う。勤怠もSES会社が管理。
クライアントは「成果」に対して報酬を支払う
準委任契約のため、納期や個別タスクの指示・管理はSES会社側で完結する。
※ 実務上は、現場のチームリーダーや他社のメンバーと協働するため指示系統が曖昧になりやすいのですが、
SESの場合は「クライアントが直接エンジニア個人を指揮命令する状態」になっていたら違法(偽装請負)です。
派遣・SES・請負(参考)の3形態を、主要9項目で並べました。
| 項目 | 派遣 | SES | 請負(参考) |
|---|---|---|---|
| 契約形態 | 労働者派遣契約 | 準委任契約 (民法656条) |
請負契約 (民法632条) |
| 指揮命令権 | 派遣先(クライアント) | 所属企業(SES会社) | 受託企業 |
| 業務上の指示 | 派遣先から直接 | 所属企業のリーダー経由 | 受託企業内で完結 |
| 雇用主 | 派遣会社 | SES会社 | 受託企業 |
| 給与・社保 | 派遣会社が支払い/加入 | SES会社が支払い/加入 | 受託企業が支払い/加入 |
| 必要な許可 | 厚労省の 労働者派遣事業許可 |
不要 | 不要 |
| 期間制限 | 原則3年 (同一組織単位) ※無期雇用派遣は例外 |
制限なし | 制限なし |
| 報酬の対象 | 労働時間 | 業務遂行(労働力提供) | 成果物の完成 |
| 主な法的根拠 | 労働者派遣法 | 民法(準委任) | 民法(請負) |
※ 請負契約は「成果物の完成」に対して報酬を支払う点でSES(業務遂行型)と異なります。指揮命令権の所在は同じ(受託企業内)です。
「どちらが良い/悪い」ではなく、それぞれに性質の違うトレードオフがあります。
契約上はSES(準委任)でも、実態がクライアントによる直接指揮命令になっていれば違法です。
厚生労働省も明確にこれを禁止しています。
厚生労働省のガイドラインでは、「請負(準委任)形式でも、注文主と労働者の間に指揮命令関係があれば労働者派遣に該当」とされており、必要な派遣事業許可なしに行えば違法(偽装請負)になります。
当社のエンジニアは全員、「無期雇用派遣」として雇用されます。
労働者派遣事業の許可も取得しているため、案件特性・本人の希望に応じて派遣契約/準委任契約のどちらも提供可能です。
どちらの形態でも、エンジニアの雇用は当社の無期雇用(正社員)のまま継続します。
いわゆる「登録型派遣」とは異なり、契約期間の定めがない雇用形態。プロジェクト終了時も雇用は継続します。
厚生労働大臣による労働者派遣事業の許可を取得しており、適法な派遣サービスを提供できる事業者です。
案件特性・クライアント要件・本人希望に合わせ、最適な契約形態を選択。雇用形態はどちらも無期雇用のまま。
派遣契約では派遣先指揮、準委任契約では当社指揮を厳守。契約形式と業務実態の不一致(偽装請負化)を防ぎます。
「派遣」とひとくくりに語られがちですが、雇用契約の構造によって2種類に分かれます。
フェローシップが採用しているのは前者の無期雇用派遣です。
※ どちらも「派遣」である以上、派遣先での働き方(クライアントが指揮命令を出す構造)は同じです。違うのは「派遣会社との雇用契約」の中身です。
フェローシップは無期雇用派遣 × 準委任の両対応で、エンジニアごとに最適な契約形態を選択できる体制を整えています。